京阪神ドリーム静岡号
■運行区間 静岡駅・掛川駅・浜松駅～京都駅・大阪駅・三宮（東名・名神経由）
■運行回数 1往復/日
■運行会社 JR東海バス(0.5往復/日)、西日本JRバス(0.5往復/日)
■区間経過 平成16年7月15日 静岡駅・浜松駅～京都駅・大阪駅間開業
平成19年12月20日 大阪駅より三宮バスターミナルまで延長
平成22年12月9日 掛川駅経由になる。
■路線歴史
平成16年7月16日、静岡市内発着の「高速路線バス」としては一番最初に開業した路線。静岡側事業者としてJR東海バス、大阪側事業者としては西日本JRバスが担当し、「京阪神昼特急静岡号」との組み合わせで運行を開始した。当初はJR東海バスは「ドリームなごや号」で使用されていた初期のダブルデッカー車、西日本JRバスは他路線でも使用されているダブルデッカー車が使用されていた。
平成18年春頃、JR東海バス・西日本JRバスともに「ダブルデッカー車」から「ハイデッカー車（ボルボ車）」に変更になる。恐らくJR東海バスのダブルデッカー車が経年のため廃車になるためのものであったと思われる。その後、平成18年5月31日の運行を以って同時に運行開始した「京阪神昼特急静岡号」が廃止になり、その翌日である平成18年6月1日には「京阪神ドリーム静岡号」としての単独運行になると同時に、運行区間が大阪駅から三宮バスターミナルまで延長になった。
暫くは静岡駅を出ると浜松駅と言う停車駅であったが、平成19年12月20日には静岡駅～浜松駅間の東名静岡・東名吉田・東名菊川・東名掛川・東名袋井・浜松インターに停車するダイヤ改正が行われた。これは、平成17年12月22日に運行を開始していた「ドリーム静岡・浜松号」と同じ停車駅にすることにより、吉田や菊川と言った地域の利用者の利便性を向上するダイヤ改正であった。
平成22年12月9日改正では更にこの方向性が強まり、東名掛川を通過する代わりに掛川駅東口を経由するようになった。また、京都駅以西の運行経路も変更され、従来の名神高速経由から第二京阪を経由するルートになり、途中高速京田辺を経由して大阪駅へ、大阪駅から三宮BTまでは新たに湊町BT(OCAT)を経由するようになり、関西地区でも幅広い旅客を集めることができるようになった。
■路線の現状
・比較的多い2号車の設定
静岡と京都・大阪を結ぶ夜行便系統としてはしずてつジャストライン・阪急バスが運行する「京都大阪ライナー号」が清水駅前・静岡駅前～京都駅前・大阪梅田（阪急三番街）を、富士急山梨バス・近鉄バスが「フジヤマ号」を富士山駅（山梨県）を始発として東静岡駅北口～京都駅八条口・東梅田・あべの橋の間に運行しており、この3路線での競合関係が成立している。
その中でもこの「京阪神ドリーム静岡号」は週末を中心に2号車が増発されることが多くなっているが、その理由として考えられるのは出発地エリアが「静岡市内～浜松市内」の比較的広範囲になっている点が挙げられる。嘗ては浜松駅から京都駅までの間でJR東海バスが直通系統を運転していた他、現在では浜松駅～大阪駅の間に遠州鉄道・西日本JRバスが「大阪エクスプレス浜松号」を2往復/日(各社1往復づつ)運行している(この他にも「京阪神昼特急静岡号」「東海道昼特急号」に東名浜松北から乗車することが可能)。また、浜松市内から京都市内までは自家用車で約3時間程度と静岡東京間と同じような所要時間(伊勢湾岸道・新名神経由)で向かうことができるため、浜松周辺からの対関西需要はある程度存在することが推測できる。
この事から、静岡市内で言う所の「渋谷・新宿ライナー静岡号」「駿府ライナー号」と「ドリーム静岡・浜松号」の間の関係が成立していることが見える。実際に、筆者も大阪から静岡に帰ってくる際に本系統に乗車することがあるが、浜松駅で半分近い乗客が降りることも珍しくはない。そのため、続行便として2号車の運行がされることが多いものと推測される。
・多彩な運賃種別
当系統の特色として挙げられるのは、良く言えば「多彩な運賃」、悪く言えば「同じバスでも運賃が多くてわかりにくい」点である。平日に設定されている「C運賃」、土日及び休日に設定されている「B運賃」、そして金曜日に多く設定されている「A運賃」と3種類の基本運賃が当路線には設定されている。
割引の無い普通片道運賃及び往復割引運賃に関しては各曜日別運賃の間に差はないものの、いわゆる「事前購入運賃」にその差はついている。
例えば、静岡駅大阪駅間の「早売21」（乗車日の21日前までに購入を必要とする運賃）運賃を見てみると、C運賃が適用される日は3,000円（普通片道運賃6,500円の50%引)である一方、A運賃が適用される日は5.590円（普通片道運賃6,500円の14%引)と割引率を変えて設定している。また、この事前購入運賃も「早売21」「早売14」「早売7」「早売3」と多く設定されており、静岡関西間に運行されている高速ツアーバスに対抗する運賃設定がなされている。